私（ラケット侍）のテニスの師が、11月30日逝去された。（享年82歳）3月に倒れる3日前までテニスコ-トに立ちジュニアを指導されていたそうだ。病気になっても家族以外には会うことを拒み、大正男の美学を貫いた人だった。早大在学中に戦争に志願し中国大陸で終戦を迎え、戦後GHQの許可をもらいインド、ｱﾌﾘｶ経由でアルゼンチンにわたり、1年後ブラジルに移り20年をブラジルで過ごした。
私が師と出会ったのは23年ほど前だが、当時テニスを始めたばかりで、彼も娘を連れて同じクラブに通って来てた。有る事件がきっかけで付き合うようになり、うまが会ってかわいがってもらうようになった。
その時は小学生の娘さんがｵﾘﾝﾋﾟｯｸやウィンブルドンに出るような選手になるとは夢にも思わなかった。
その後、彼の娘さんは世界ランク25位まで成長し、USオ-プンベスト16、ウィンブルドンやフレンチ、全豪等で活躍した。
彼の偉いところは、日本の地方に居て、全て自分で勉強したテニスを自分の手で娘に教えたという事だ。有名なコ-チに任せる事なく小学生の頃から大学、ﾌﾟﾛのツア-まで、付ききりで娘に教えて、帯同してこれだけの実績を残せたことは、ご立派の一言の尽きる。
私もそのような師に出会えたことを誇りに思うし、私なりに師の教えをこれからのテニス人生に生かしていきたい。
ご冥福を祈ります。 合掌 2006年12月